平成24年度 事業報告書 NPO IDEA ジャパン
平成24年4月1日から平成25年3月31日まで
(1)啓発事業については、①講演、②写真展の開催、③園内案内と国立ハンセン病資料館における説明、の3つが主なものであった。
①講演等については、森元美代治理事長が40 回、八重樫信之理事と村上絢子事務局長が1回行なった。
②写真展については、八重樫信之理事が撮影した『輝いて生きる』の写真展を横浜の人権メッセージ展で開催した。
③フィールドワーク(全生園と国立ハンセン病資料館案内)は、IDEA ジャパンに説明依頼があった団体に対して、森元理事長が23 回案内し、説明した。①〜③の受益対象者は合計6,258 人を越え、啓発の面に関して多大な成果を上げた。
(2)国内外のハンセン病患者・快復者との交流及び支援事業については、①生活改善のための支援、②奨学金支給、③交流、の三つが主なものであった。
①については、HANDA(IDEA 中国)、IDEA インド、IDEA フィリピン(クリオン島)へ生活改善資金を提供した。
②については、HANDA( IDEA 中国)、IDEA インド、IDEA フィリピン(クリオン島)、インドネシアの学生に奨学金を支給した。
③については、2012 年5 月にセネカフォールズ(アメリカ、NY 州)で開催された IDEA 国際集会に森元理事長夫妻が参加し、ハンセン病施設の世界遺産登録について討論し、交流を深めた。また青森市(松丘保養園)で開催された第8 回ハンセン病市民学会に理事、会員多数が参加した。
(3)ハンセン病関係の資料の収集・情報提供事業については、①ニュースレター13号、14号15 号の発行、ホームページによる情報発信、②資料提供、③資料収集、④その他の活動がある。
① ニュースレター13号は、森元理事長の恩師・内池慶四郎慶応大学名誉教授の追悼文を掲載した。時効・除斥期間の権威である内池教授の鑑定書がハンセン病国賠訴訟の勝訴判決に果たした功績に付いて書いた文章を掲載した。並里まさ子医師(おうえんポリクリニック院長)には、インドのハンセン病施設見学記を寄稿していただいた。
新患者数12万6,800人と世界で最も患者数の多いインドの現状について、いまだに根強い偏見がハンセン病対策のネックになっていること、一般市民だけでなく医療従事者を含めて、啓発活動の必要性等があると指摘された。写真パネル展『輝いて生きる』開催について、八重樫信之理事がパネルの紹介と写真展について紹介した。
14号は、5月にセネカフォールズで開催されたIDEA 国際集会について森元理事長が報告した。あらゆる人権問題と連携し、各国IDEA と協力して世界遺産登録を目標に活動しようと決意表明して、集会を終えた。
5月に開催されたハンセン病市民学会・家族部会で宇佐美治さん(長島愛生園)が60 年ぶりに実家の甥御さんと会えたという、うれしい出来事が紹介された。長年、宇佐美さんをサポートしてきた難波幸矢さんがその間の事情を書いた「甥御さんが会ってくださった!」を掲載した。宇佐美さんは海外のIDEA 会員とも交流を続けているので、外国人にも読めるように、このレポートを英訳して送付した。
15号は、11月23日に急逝した曽我野一美さん(元国賠裁判原告団代表)の追悼特集を組んだ。IDEA ジャパン発足時に推薦人を引き受けてくださった曽我野さんの功績を偲んで、森元理事長の追悼文と各国のIDEAから寄せられたメッセージを掲載した。
また13年間、全生園の秋祭りに来園し、IDEA ジャパンのバザーに協力してくれる同志社女子高校生の感想文を紹介した。
1月24日、IDEA ジャパンの副理事長、柴田良平さんが肺炎でお亡くなりになり、社会復帰した先輩・後輩として親しくしていた、S・ショウジさんが寄稿してくださった。柴田さんの人柄、生きる姿勢などについて、当事者だからこそ書けた追悼文であった。
② 資料提供については、「アジア・太平洋戦争とハンセン病〜光田イズムを軸に考える」(東アジア学会編、村上絢子著)と、「森元美代治ーハンセン病回復者と家族の尊厳を取り戻し、共生できる社会の実現を」(文・歌代幸子、写真・八重樫信之)「IDEA ジャパンの活動〜共に生きる社会を目指す〜」(文・村上絢子)(両レポートとも韓哲文化財団の『青鶴4』に掲載)を配布した。
④その他の活動については、『失われた歳月』(鈴木重雄著)の再版に協力した。
IDEAジャパン会計報告(2012年度)
平成24年4月1日から平成25年3月31日まで
【収 入】 | |||||
入会金 | 7人 | 7,000 | |||
年会費 | 正会員 | 22人 | 160,000 | ||
賛助会員 | 40人 | 80,000 | |||
特別賛助会員 | 1人 | 50,000 | |||
特別正会員 | 1人 | 20,000 | |||
寄付金 | 45人 | 1,289,359 | |||
利息 | 144 | ||||
ホテルキャンセル料返金分 | 7,144 | ||||
収入合計 | 1,613,647 | ||||
【支 出】 | |||||
1.事業費 | |||||
(1)啓発事業 | 134,537 | ||||
(2)支援事業 | 1,207,802 | ||||
(3)情報提供事業 | 255,248 | ||||
合計 | 1,597,587 | ||||
2.管理費 | |||||
給料手当 | 240,000 | ||||
消耗品費 | 702 | ||||
会議費 | 53,225 | ||||
通信運搬費 | 90,105 | ||||
印刷製本費 | 52,205 | ||||
雑費 | 6,940 | ||||
合計 | 449,496 | ||||
3.予備費 | 29,373 | ||||
支出合計 | 1,597,587 + 499,496 + 29,373 = 2,076,456 | ||||
【残 高】 | 1,613,647 - 2,076,456 = -462,809 | ||||
【前期繰越金】 | 3,091,390 | ||||
【累計残高】 | -462,809 + 2,135,625= 1,672,816 |