平成23年度 事業報告

（平成23年4月1日から平成24年3月31日まで）

1. 事業の成果 （1）ハンセン病に対する差別・偏見除去のための啓発事業、（2）国内外のハンセン病患者・快復者との交流及び支援事業、（3）ハンセン病関係の資料の収集・情報提供事業、の三事業を事業計画として掲げ、取り組んだ。

（1）啓発事業については、①講演、②写真展の開催、③フィールドワーク（園内案内）と国立ハンセン病資料館における説明、の3つが主なものであった。
①講演等については、森元美代治理事長が48回、村上絢子事務局長が勝訴判決10周年記念のシンポジウムでパネリストを務めた。九大の東アジア学会で八重樫信之理事がスライドショー、村上絢子事務局長が研究発表を行なった。
②写真展については、八重樫信之理事が撮影した『輝いて生きる』の写真展を国内で5回開催した。
③フィールドワーク（全生園と国立ハンセン病資料館案内）は、IDEAジャパンに説明依頼があった団体に対して、森元理事長が18回案内し、説明した。
④その他の活動については、クリオン島へ子供服と老眼鏡を送付した。塔和子展（詩人、大島青松園）に寄付をした。学生ボランティアグループのFIWCに寄付をした。東日本大地震の被災地、宮城県唐桑の施設を訪問し、洗心会に寄付をした。
上記①～③の受益対象者は合計約1万人を越え、啓発の面に関して国内外で多大な成果を上げた。

（2）国内外のハンセン病患者・快復者との交流及支援事業については、①生活改善のための支援（交流及び支援）、②奨学金支給、の二つが主なものであった。
①については、HANDA（IDEA中国）、IDEAインド、IDEAフィリピン（クリオン島）へ生活改善資金を提供した。また2011年5月に沖縄県宮古島市と名護市で開催された第7回ハンセン病市民学会に理事長、理事、会員多数が参加した。
②については、HANDA （IDEA中国）、IDEAインド、IDEAフィリピン（クリオン島）、 IDEAネパール、インドネシアの学生に奨学金を支給した。

（3）ハンセン病関係の資料の収集・情報提供事業については、①IDEAジャパンのニュースレター11号、12号の発行、ホームページによる情報発信 ②資料提供がある。
①ニュースレター11号は東日本大震災の特集号で、各国のIDEAメンバーから届いた、心のこもった応援メッセージを掲載した。
12号は、宮城県気仙沼市唐桑にある社会福祉法人洗心会の創設者、鈴木重雄さん（ハンセン病快復者）の人生の一端、鈴木さんを敬愛して、被災地に集まった若者のグループ（FIWC）の活動、地元・唐桑での洗心会の事業などについて、山口和子理事が執筆した。門屋和子さん（会員）は、東日本大地震で被災した故郷の惨状を知り、居ても立ってもいられない気持ちで、洗心会をボランティアとして訪ねた報告を寄せた。冨田美代子さん（監事）は、台湾楽生院の自救会会長宅にホームステイして、楽生院の現状をレポートした。
12月2日にあおばの会（東日本退所者の会）の要請で、横浜駅東口地下のイベント会場で開催された「人権メッセージ展」で展示した写真『輝いて生きる』と、国立ハンセン病資料館で開催した写真展『輝いて生きる』10月1日～10日を紹介した。いずれもカラー写真が好評だった。
ホームページは、自動翻訳機によって、英語だけでなく世界各国の言語で読めるようになって、各国のIDEAメンバーに好評だった。
②資料提供については、恵泉女子大学教授でクリスチャンの荒井英子さんの遺稿集『弱さを絆に ハンセン病に学び、がんを生きて』を関係者に贈呈した。

平成23年度 会計報告

（平成23年4月1日から平成24年3月31日まで）