ニュースレター No.14 Topへ >> ニュースレター No.14 記事(4) |
♪♯ 花さき保育園が開園 ♪♭ 〜全生園の新しい1ページが始まる〜 |
理事 佐川 修 (多磨全生園入所者自治会長)
社会福祉法人土の根会・花さき保育園の新園舎が本年7月1日に完成し、祝う会が開催されました。思えば4年前、2008年6月の国会において「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」、いわゆる「ハンセン病問題基本法」が全会一致で可決されました。その1ヶ月後の7月、さらに10月には文書をもって花さき保育園の新保理事長と森田園長が、多磨全生園入所者自治会にお見えになり、「基本法の精神を活かして全生園の中に保育園を建てさせていただきたい」との要望がありました。
自治会では早速、施設長である松谷有希雄園長や、渡部尚東村山市長にも相談して、保育園を受け入れることを決め、翌2009年3月に10団体で構成している「多磨全生園将来構想検討委員会」を開催しました。そこで「人権の森構想とともに保育園の誘致を全生園の将来構想として推進したい」と提案したところ、即座に満場一致で承認されました。
それ以来、入所者自治会では全国ハンセン病入所者協議会の行動があるたびに、また折にふれて厚生労働省や国会議員の先生方に要請行動を続けてきました。その結果、難問であった借地料の問題も解決し、多磨全生園の南西の角地2000平米を、1平米あたり1329円で貸し出すことが決まりました。そこで整地して、公募したところ、花さき保育園に貸し出すことが決まったのです。その時は、内心ホッとした思いでした。
私たちは子どもがいません。持つことを許されませんでした。だから子どもたちの元気な声を聞くと、「もし自分たちに孫やひ孫がいるとしたら、こんな思いであろうか」と非常に心の和む思いがします。
子どもは国の宝です。花さき保育園の開園式には小宮山洋子厚生労働大臣もご出席くださいましたが、小子化問題や児童手当など子ども対策に熱心に取り組んでおられる小宮山大臣には、次代を担う子どもたちがのびのびと生育できますように、さらにご尽力いただきたいと願っています。
多磨全生園の入所者は、現在250人と激減し、平均年齢も83歳に達しました。私たちに残された時間はそう長くありません。人生最後の曲がり角に来て、子どもたちの元気な声を聞き、人間らしい気持ちを取り戻して過ごせる機会を与えられたことは、私たちにとっては何よりの贈り物だと、感謝の気持ちでいっぱいです。
多磨全生園の新しい1ページが始まりました。保育園開園のために何かとご尽力、ご支援いただいた多くの関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
|
|
▲開園した花さき保育園 |
|
←前の記事を読む 次の記事を読む→ |
|
←ページTOPへ
|